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動脈硬化症について

動脈硬化症について

私たちの体は頭の先から足の先まで血管で網羅されています。特に大事な臓器は血管が豊富です。動脈硬化症とは、大動脈から細小動脈まですべての動脈の壁が硬く厚くそして脆くなり、同時に内腔が狭くなる病気です。一旦起こると元に戻らない厄介な病気です。これによって血液の流れが阻害されたり、血管が破綻(破裂)して、様々な致命的な病気を併発します。

動脈硬化から起こる病気

脳動脈の硬化 一過性脳虚血、脳卒中(脳梗塞、脳出血)
冠動脈の硬化 狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈
大動脈の硬化 胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤
腎動脈の硬化 腎動脈への血液流入が減り、高血圧、腎不全を来す
眼底動脈の硬化 眼底出血、視野欠損、失明
下肢動脈の硬化 歩行中のふくらはぎの痛み、さらに血液の流れが悪くなると壊疸

高血圧について

高血圧について 1・・・・高血圧の危険

本来高血圧は全身の動脈硬化を進め、脳卒中、心筋梗塞や腎不全を引き起こしますが、心臓の影響だけを見ても、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)以外に、ポンプの働きをする左室壁が肥厚し心筋自体にダメージを及ぼす、「高血圧性心疾患」も引き起こします。これを放置すると、心房細動、心室性期外収縮や、心臓が止まりペースメーカーの植え込みが必要になるなど、種々の不整脈を引き起こしたり、心不全に陥ったりすることもあります。
こういった動脈硬化や高血圧性心疾患を引き起こさないために長年にわたった研究により現在では以下のように血圧基準が決められております。

  収縮期(上)   拡張期(下)
至摘血圧 120以下 かつ 80以下
正常血圧 130以下 かつ 85以下
正常高値血圧 130~139 または 85~89
軽症高血圧 140~159 または 90~99
中等症高血圧 160~179 または 100~109
重症高血圧 180以上 または 110以上

すなわち高血圧と名のつく基準に達している場合(軽症高血圧以上を指します)は、動脈硬化や高血圧性心疾患が引き起こされる確率が上がることを意味しています。以上から治療によりコントロールする必要があるのです。

高血圧について 2・・・・家庭内血圧

最近の家庭用自動血圧計の性能の向上と一般の方への普及の増加には著しいものがあります。私も、日々の診療で利用しております。それというのも、一般診療の時はどなたも程度の差はあれ、血圧が10~20mmHGは上昇するようです。ですから、診療時の血圧が高いからと言って、すぐに降圧剤を開始したり、増量したりすることはありません。(極端に高い場合は別)。そんな時、家庭用自動血圧計でふだんのご家庭での血圧をしばらく測定していただくこともあります。では、1日の中でいつ測定すればよいか?それは、1日2回朝起き抜け排尿後と、夕方夕食前。これはあくまで理想です。ですから、夜外食をして帰ってからでもかまいません。朝起き抜けの血圧を見る目的は、脳梗塞や狭心症、心筋梗塞の引き金となる早朝高血圧の有無を確認するためです。排尿後とは膀胱に尿を溜めている状態、すなわち血圧に関与する交感神経の影響を除くためです、また、夕方に血圧を見る目的は、1日活動して疲れやストレス出る頃の状態を把握できるからです。夕食前とは、食事による副交感神経の影響を除くためです。

あともう1つ測定するなら、胸痛・胸部不快感・動悸・息切れ・めまい・脱力感・後頚部痛など循環器疾患でよく見られる症状が出た時です。もしこのように調子の悪い時に、脈とともに血圧を測定していただけるならば、診断が速く下せる場合も多々あります。調子の悪い時というのは、誰もが不安で冷静に血圧や脈を測定したりできないことが多いとも思われますが、循環器系疾患の中には発作性のものも少なくありません。是非、勇気を出してその時の状態(血圧や脈)をチェックしてみてください。

高血圧について 3・・・・高血圧のいろいろ(白衣高血圧)

白衣高血圧など、精神的な理由で血圧が上がることは広く知られています。(心因性高血圧)。

実際に外来で測定する血圧は、自宅で測定する血圧よりも10~20mmHG位は高いといわれています。「じゃあ、心因性高血圧は全く心配ないか」と言うと、実はそうとも言えないようです。

心因性高血圧にはふたつのタイプがあるようです。ひとつは医療機関で血圧を測定した時に血圧がドンと上がり、ふだんの血圧は全く正常である方。ふたつ目は自宅の穏和な生活で血圧は上昇しないものの、医療機関で測定した血圧が高くなるのと同様、仕事やふだんの生活でもストレスがかかった時、気づかない内に血圧が上昇している方。

本来高血圧は全身の動脈硬化を進め、脳卒中、心筋梗塞や腎不全を引き起こしますが、心臓の影響だけを見ると、虚血性心疾患(狂心症・心筋梗塞)以外に、ポンプの働きをする左室壁が肥厚し心筋自体にダメージを及ぼす、「高血圧性心疾患」も引き起こします。これを放置すると、心房細動、心室性期外収縮や、心臓が止まりペースメーカーの植え込みが必要になるなど、種々の不整脈を引き起こしたり、心不全に陥ったりすることもあります。

実は、心因性高血圧の中でも、前述したふたつ目のケースでは、この「高血圧性心疾患」が起こり始めていることがあります。その場合には、速やかに一般の高血圧と同様内服治療薬が必要になります。特に、以前から「血圧が高めですね」と言われている場合は要注意です。心臓への影響を調べるには、先ず心電図や胸部X線を行いますが、「高血圧性心疾患」早期では発見しにくいのが現状です。実際には心臓超音波が有効です。ふだんからストレスを強く感じていて、以前から「血圧が高めですね」と言われ、何年もたっている方は、1度心臓エコー検査をお受けになることをお勧めします。

高血圧について 4・・・・高血圧のいろいろ(仮面高血圧)

高血圧の治療中の患者さんには、診察中の血圧は大変良好にコントロールされていても、早朝や夜間に血圧の高い症例があります。これを仮面高血圧といいます。この状態は実に高血圧患者さん全体の20~25%ほどを占めるという報告もあります。

ではこのような患者さんは、その他の高血圧の患者さんと違いがあるのでしょうか。高血圧治療の最大の目標とは、動脈硬化から引き起こされる脳梗塞や心筋梗塞の予防ですが、これらの発症率が仮面高血圧では常時血圧の高い状態の患者さんと比較して変わらないという報告もあります。これは驚くべきことです。また仮面高血圧は血圧の治療をしている患者さんの中にもいる可能性があり、その患者さんのほとんどは、良好にコントロールされていると思っている訳です。

動脈硬化を起こさないように血圧は良好にコントロールされていると思っていても、実は動脈硬化は着実に進行しており脳梗塞や心筋梗塞の危険がせまっていることもありうることを意味します。

この場合はクリニックのみの血圧測定では判断ができません。ですから『高血圧について2』にもあった、家庭内血圧の測定は非常に重要で、血圧の自己評価が必要なのです。

高血圧について 5・・・・心筋保護

以前より心臓エコー検査に強くかかわっており、開業以前には手術前の心臓検査として心臓エコー検査を依頼されることがよくありました。その患者さんたちの中には、心臓のポンプの働きをする左室の壁が厚くなっている方(いわゆる心臓肥大)が時々おられました。

心臓の壁が厚くなるケースはいくつかありますが、高血圧の心臓への影響を第一に考えます。これは心臓の壁を厚くして血管の抵抗(高い血圧)に対抗して心臓のポンプの働きを保とうとする生体の働きです。この働きには、ある種のホルモンが関与していますが、一度作動すると中々解除されず、どんどん心臓の壁が厚くなり、心筋の障害がひどくなり心不全や重症不整脈を引き起こしたりします。

その時患者さんによく質問しました。「血圧が高いのですか?」するとほとんどの患者さんが「いいえ」と答えます。首をかしげながらカルテを見ると、だいたい降圧剤を服用しているとともに、ほぼ同系統の薬剤が使用されていました。その患者さんたちは、その薬剤で血圧は正常にコントロールされていたために、血圧は高くないとおっしゃったのでしょう。しかしながら心筋の保護はほとんどされていなかったということになります。血圧の治療では、血圧の正常化はもちろん大切ですが、それ以上に心筋保護が必要だと思われます。高血圧の初期においては、どんな降圧剤を使用してもよいと考えられますが、ある程度経過した高血圧では、心筋障害の有無をチェックし、必要ならば心筋を保護する薬剤に変更した方がよろしいかと考えます。

高脂血症

高脂血症について

高脂血症というのは『生活習慣病』のひとつで、血液中の脂質であるコレステロール中性脂肪などが多い状態です。ともに健康を維持するのに必要な栄養素ですが、必要以上に存在すると、血管の周りにコレステロールなどがたまり動脈硬化を引き起こします。心臓でおきると狭心症心筋梗塞、脳で起こると脳梗塞、その他腎機能障害大動脈瘤などさまざまな重大な合併症をひき起こします。原因は、遺伝的な体質、肥満、食べ過ぎ、運動不足、長期の飲酒、甲状腺機能低下、腎臓病、コントロール不良の糖尿病、また、女性は更年期になるとコレステロールが上がりやすくなります。

目標値

総コレステロール180~220mg/dl未満(危険因子の数による)

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)100~140mg/dl未満(危険因子の数による)
HDLコレステロール(善玉コレステロール)40mg/dl以上

中性脂肪150mg/dl未満にコントロールすることをめざします。
治療法としては、(1)食事療法(2)運動療法(3)薬物療法があります。
通常、数ヶ月間は(1)(2)にてライフスタイルの改善を起こなった上で、薬物療法を開始します(病状、状態によります)。

食事療法

まず第一に食べ過ぎないことです。具体的には、以下の量にすることが適当です。
1日の摂取カロリー=標準体重 (身長(m)2×22)kg×25~30キロカロリー
例えば、身長 150cmなら、1.5×1.5×22×30 = 1485kcalとなります。
次に、動物性脂肪、特に肉類の脂肪を摂らないことが大事であり、コレステロールの多い食品も避けるべきです。具体的には肉は避けさかな中心の食生活にする。青魚に多い不飽和脂肪酸はコレステロール値を下げます。鶏卵、いくら、たらこなどの卵や内臓系の食べ物(レバー、もつ、しらすなど)はコレステロールを多く含んでおり上昇の原因になります。
次に食物繊維をたくさん摂ることです。具体的には野菜(とくに根菜)、きのこ、海草、こんにゃく、豆などの食物繊維は、コレステロールの排泄を促進します。ただしこれらのものには油との相性がよいものもあり、調理法には注意してください。
またイモ類、緑黄色野菜、種実類に含まれるビタミンE.Cカロチンは、コレステロールの酸化を防ぎ動脈硬化を抑えます。
アルコール、ジュース、菓子、果物を取りすぎると中性脂肪を高めます。中性脂肪が高くなると善玉コレステロールの低下と悪玉コレステロールの中でもさらに悪い超悪玉コレステロールを増やすことになりますので注意が必要です。
喫煙は、善玉コレステロールを減らし、ビタミンCを破壊し動脈硬化を進めます。厳格に食事療法を守ることで多くの人がコントロールできますが、食事の楽しみも大切な部分もあり薬も併用するのも重要かもしれません。

運動療法

ウオーキング(40歳以上)、ジョギング(30歳代以下)、サイクリング、水泳などの有酸素運動を30~60分、理想的には1日2セット行うのがよいとされています。忙しい方は、通勤の場合、駅をひとつ前で降りて歩くなど、生活の中で体を動かす習慣をつけると比較的楽にできます。

薬物療法

通常ライフスタイルの改善のため、数ヶ月間は食事療法、運動療法を起こなった上で、薬物療法を開始します。コレステロール値が高い場合、スタチン系(HMG-CoA 還元酵素阻害薬)が第一選択薬、ついで陰イオン交換樹脂、プロブコールなどを用います。中性脂肪値が高い場合、フィブラート系が第一選択薬、ついでニコチン酸系薬、EPA 製剤などを用います。
代表的なスタチン系、フィブラート系薬剤は、ともに副作用として、横紋筋融解症、肝機能障害、CPK上昇などをまれに認めます。お薬を飲み始めた後、脱力筋肉痛茶褐色尿、に気づいたらすぐに中止し、受診してください。定期的に血液検査を行いチェックします。
また近日中にコレステロールの強力な吸収阻害薬が出される予定ですし、善玉コレステロールを上昇させる薬も開発中のようですから、薬の投与法も変わるかもしれません。

インフルエンザについて

インフルエンザについて

若年者および高齢者においてインフルエンザ感染後の肺炎の発症率が高く、その際心臓疾患や呼吸器疾患などの心臓や肺に障害を持つ方に関しては重症化を招くことがおおくその死亡率も高いものとされております。

以上の理由でこのような病気をお持ちの方は予防接種を強くお勧めします。(心筋梗塞、心筋症、心不全、弁膜症、慢性肺気腫・気管支喘息などに伴う慢性閉塞性肺疾患など)

男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症(AGA)について

男性に最も多い脱毛症が「男性型脱毛」です。
額の生え際や、頭頂部の髪が薄くなり進行していくのが特徴です。髪の成長サイクルを害して成長期が短くなり、その結果細くて短い髪の毛が多くなり薄毛が目立つようになります。一般的にジヒドロテストステロン(AGA の原因物質)や遺伝が関係するといわれています。抜け毛の主な原因物質であるジヒドロテストステロンとは、男性ホルモンであるテストステロンが体内で変化したものです。2005 年12月より飲むタイプの治療薬が使えるようになりました。名前は、プロペシア(フィナステリド)と言います。この薬はジヒドロテストステロンへの変化を抑えるので効果があります。主に髪を増やすのではなく、脱毛を防ぎ進行を抑えるものです。臨床成績は、96%で進行を防ぐ効果、48%に改善効果を認めました。効果の判定は6ヶ月の服用が目安になります。尚、院長である私も愛用しておりますが確かに抜け毛が減ることは実感させられますし、そのことが精神的に安心感をもたらしてくれます。また男性ホルモン自体には影響しませんので性機能には問題がないとされております。医療関係者が数多く飲んでおり、感想は私と似たものを感じているようです。副作用はほとんどありませんが、排尿時のきれが少し悪くなるような気がしますが、抜け毛が減る安心感のほうがまさっており愛用しております。

自費診療ですので自己負担は当クリニックでは以下のとおりです(他人事ではないので良心的な価格になっております)。4週間分28錠で(薬代、診察代込み)8,000円です。

ED(勃起不全)

ED(勃起不全)について血圧について

1998年に行われた調査によると、日本のED患者の割合は、40代では5人に1人、50代、60代になると約半数に達し、年齢を重ねるにつれて増加します。原因として身体的な原因や、精神的なストレス、不安、うつ状態などにより起こります。身体的な原因としては、糖尿病、パーキンソン病、脊髄損傷、前立腺、結腸、動脈瘤などの骨盤内手術(神経が傷ついて刺激が伝わらない)、高血圧、閉塞性動脈硬化症、高脂血症(動脈硬化により陰茎の血管に血液が十分にいかない)、薬剤の副作用、ホルモンの低下などです。精神的な原因が考えられないという方の中には、動脈硬化との関連が深いという印象もあります。病院に勤務時代EDの訴えから閉塞性動脈硬化症の診断にいたった症例も経験があります。一度相談してください。心臓の病気があったり、硝酸剤(ニトログリセリン)を使用していたり、排尿障害や血圧のお薬などを服用している場合は、血圧が下がりすぎて心筋梗塞、脳梗塞などを起こすことがあり、ED治療薬を服用することができません。当クリニックでは、副作用のリスクを評価し危険性を減らすため、症状のある方は、処方前に心臓疾患の検査をさせていただいています。

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